警備会社でスタッフが業務を開始する際は、警備会社の営業所や管制に報告をおこなう「上番(じょうばん)」という仕組みがあります。この「上番」は、もとは軍隊で当番に就く際の報告を指す言葉とも言われており、一般職の出社・出勤報告と同じ意味です。
警備会社がこの仕組みを取り入れている理由には、「警備スタッフが直接警備現場に出勤し、すぐに仕事ができる」「同現場のスタッフの点呼や勤怠管理がまとめておこなえる」という利点や「管制が多数の現場を管理しているため、現地にタイムカードを設置したり、スタッフの点呼をおこなうことができない」という状況などがあるようですが、その方法やルールは警備会社によって異なります。
上番の管理をスムーズにおこなうことで、管理側もスタッフも気持ちよく業務ができることとなります。そこで今回は、警備会社におすすめの勤怠管理や人員配置の課題を解決するシステムをご紹介します。
警備会社が抱える上番管理のよくある問題
警備会社の上番管理には、以下のような問題がよく挙げられます。
- 管制の電話回線の混雑で、上番報告の電話が繋がらない
- メールの送受信にトラブルがあり、上番報告のメールの確認ができない
- 上番報告のFAXが送られてこない
- FAXの紙切れや誤作動により、上番報告の内容が確認できない
- 給与計算にともなう上番、下番の時刻の転記など、管制の事務作業が負担になる
- 警備会社の管制の負担が大きく、細やかな対処がしきれない
- 警備会社側の欠員の確認が遅れ、代わりの人員の手配に時間がかかった
これらの問題が起こると、警備会社の管制側の負担の増加につながるだけでなく、警備スタッフの就業モチベーションの低下や、急な欠勤や遅刻が発生していた場合の確認・対応が遅れることで、顧客への信頼も損なわれてしまいます。
なぜこのような問題が発生するのでしょうか。その原因として考えられるものをご紹介します。
警備員からの上番報告が同時刻に集中する
警備スタッフは現場作業が多いため、出勤は現場に直行するケースが一般的です。警備会社の多くは電話で上番管理をおこないますが、勤務開始は7時、8時、9時……など、区切りをつけやすく端数がない時刻が多いと思います。そのため、警備会社への電話連絡の時刻が多くの警備スタッフと重なってしまい「電話がつながらない」「上番報告ができないから、仕事を開始できない」という不満につながります。
警備スタッフが正確な出勤時間の報告をおこなえないだけでなく、警備の現場で「スタッフは来ているけど仕事をはじめてくれない」というトラブルにつながったり、警備会社の信用を損ねることにもなりかねません。
さらに、警備会社の管制が電話対応に大幅な工数を取られたり、遅刻や欠勤の対応、現場にたどり着けず迷っている警備スタッフの誘導対応なども発生する可能性があります。
警備会社が電話、メール、FAXを併用して上番管理をおこなっている場合も、それぞれの媒体に対しての確認・対応作業が随時必要になるため、こちらも管制の人的コストが大幅にかかる事態は避けられません。
警備員が上番報告を忘れる
上番報告は警備スタッフ個人の行動にゆだねられているため、報告忘れが起こりやすいのも事実です。警備会社と現場との契約では、警備スタッフが時間通りに警備を始めない=契約不履行になってしまいます。そのため、上番報告はとても重要な工程といえるでしょう。
しかし、警備会社の認識と違い、警備スタッフは「ただの出勤報告だろう」と軽い気持ちでとらえていることも多いようです。無断欠勤などの故意の過失は言うまでもありませんが、うっかり警備会社への電話やメールを忘れていた、警備室のFAXを他の人が使っていたなど、悪気なく上番報告を怠っている場合もあります。
特に、警備に向かうときに他の警備スタッフと一緒になり、話に夢中になっていて上番報告を忘れてしまうケースがよく見受けられるようです。話好きでコミュニケーション能力の高い警備スタッフは、通行人の誘導や交通整理、人の出入りが多い施設の警備などではその人柄が重宝される場面もあります。だからといって上番報告を忘れていいわけではありませんが、うっかりミスを事前に防げる仕組みができると、警備会社の管制も警備スタッフも助かるでしょう。
上番報告の実際の時刻と記録の時刻がずれる
上番報告の時刻と警備先での勤務実績の記録を照会すると時刻がずれている場合があります。「電話、メール、FAXが届くのが遅れた」「警備スタッフが気を利かせて早めに上番報告してくれたが実際の勤務開始は10分後から」などが要因です。こうしたケースの対応や時給の発生の有無は警備会社によって異なると思いますが、照会作業や給与計算といった事務作業を警備会社の管制がおこなう際には、手間と工数がかかるためとても大変です。
また、警備業務は就業先が毎日異なることも多く、同じスタッフでも毎日就業時間が違うこともあります。警備会社で手動にて紙やExcelなどのデータに記入していると集計作業が非常に煩雑になるため、ヒューマンエラーによる時刻のずれも起きやすい業種と言えるでしょう。
警備会社におすすめの上番管理システムとは?
警備業界における勤怠管理や人員配置の課題を解決するために、クラウド型管理システム「プロキャス警備」の導入が注目されています。このシステムは、警備業務に特化した機能を備え、業務効率化と負担軽減を実現します。

プロキャス警備の主な機能と特長
- 勤怠管理の効率化: 警備員はスマートフォンやタブレットを使用して、出勤・退勤の報告をボタン一つで行えます。これにより、電話による報告の手間が省け、管制担当者の負担も軽減されます。
- シフト管理の簡素化: アプリ内のカレンダー機能を利用して、警備員は希望シフトの提出や勤務スケジュールの確認が可能です。これにより、シフト作成の時間が大幅に短縮されます。
- 人員配置の最適化: 管制担当者は、作成した案件に対して警備員を簡単に配置し、一斉に通知することができます。これにより、急な欠員にも迅速に対応できます。
- 給与計算と請求書発行の自動化: 勤怠データに基づいて給与計算が自動で行われ、給与明細のダウンロードや有給休暇の管理、年末調整にも対応しています。また、稼働実績に基づいた請求書の発行も可能です。
- リアルタイムコミュニケーション: 管制画面上で警備員と1対1のチャットが可能で、現場ごとの情報共有や指示伝達がスムーズに行えます。
なぜ今、プロキャス警備が必要なのか?
- 電話・紙管理からの脱却
→ 出退勤報告やシフト希望はスマホで完結。電話のやり取りが激減。 - シフト管理が劇的に楽になる
→ 警備員の希望収集から配置、変更通知まで一括管理。作業時間を最大1/3に短縮。 - 欠員・緊急対応もスムーズに
→ 勤務可能な隊員へ一斉通知。対応スピードが圧倒的に向上。 - 給与・請求業務も自動化
→ 勤怠データと連動して、給与明細・請求書まで一括出力。二重入力やミスも防止。 - データで“見える化”し、経営判断が速くなる
→ 稼働率・勤務実績・人材傾向などを自動で可視化。最適な配置・採用計画に活用。
実際の導入企業の声
■「毎月のシフト作成時間が1/3以下に。管制担当の残業が激減しました」
■「電話が鳴りっぱなしだった事務所が、今では静かになった」
■「若い警備員の離職率が下がった」
業務の“仕組み”を変えることで、人が辞めない、無理のない警備運営が可能になります。
なぜ今「上番管理のDX」が必要なのか?
- スタッフの定着率を上げたい
- 管制担当者の業務負荷を軽減したい
- クライアントからの信頼を維持したい
- 業務を属人化させず、仕組み化したい
こうしたニーズに応えるのが、「プロキャス警備」のような業界特化型システムです。電話・紙・FAX管理から脱却し、“上番の見える化”で現場と本社をつなぐ運用体制を構築しましょう。
まとめ:上番管理の最適化で、警備業務に安心と効率を
上番は、警備業界における「勤怠と信頼の土台」と言える存在です。しかし、従来のやり方ではトラブルや業務負担がつきものでした。
警備員の報告忘れ、管制の煩雑な作業、勤務実績とのズレ──
これらを解決するには、仕組みそのものの改善=システム化が最も効果的です。
現場の声と管制の運用をスムーズにつなげることで、警備の質・働きやすさ・顧客満足度すべてが向上します。まずは、あなたの警備会社でも「上番管理のDX」を検討してみてはいかがでしょうか?