イオンディライトセキュリティ株式会社は、イオングループ商業施設の警備を担う企業として誕生しました。現在では、施設警備だけでなく、交通警備や大型イベント警備なども手掛ける、施設警備・雑踏警備のプロフェッショナル集団です。
現在、大きな盛り上がりを見せている「2025年 日本国際博覧会(大阪・関西万博)」(以下、万博)では、会場警備業務も任されることとなり、全国から集まる隊員の上下番管理やシフト編成といった運営の効率化が急務に。そこで導入されたのが「プロキャス警備」でした。
今回は、人事総務本部に所属し、2025年3月から万博の警備業務の支援に携わっている黒宮歌一さんに、導入の経緯から現在の活用状況まで詳しく伺いました。
| 企業名 | イオンディライトセキュリティ株式会社 |
|---|---|
| 事業内容 | 施設警備業務・交通誘導業務など警備業法で定義される警備業全般 |
導入前の課題
- 全国から集まる隊員の勤務状況やシフトを正確に管理する仕組みがなかった
- 上番に遅刻者を出さないための確実な現場運営方法を模索していた
- 隊員の平均年齢は50代前後、スマホアプリ操作に不慣れな人が多かった
導入後の効果
- 上下番機能・チャット機能・シフト管理機能を活用し、勤務状況や連絡を一元管理
- 上番遅刻防止のための複数階事前通知や、GPSでの現場到着確認等の機能活用により、勤務開始の遅延・契約違反のリスクを軽減
- 導入初期のサポート対応と現場レクチャーにより、高年齢層スタッフにも短期間で定着
「上番遅れ防止」に応えるシステムを探して
プロキャス警備を導入するきっかけと決め手を教えてください
万博の警備業務に向け、会期前に全国各地から支援メンバーを募り、研修を開始しました。その際に大きな課題となったのが、隊員一人ひとりの勤務状況やシフトを正確に管理し、上番遅れが出ないよう徹底することでした。
複数のシステムを比較検討した結果、最終的に導入を決めたのが「プロキャス警備」でした。警備業界に特化しており、自社の業務に必要な機能が揃っていたこと、カレンダー形式で直感的に操作できる使いやすさ、そして上番遅れを防ぐための事前案内機能が備わっていること、これら三つの点が、現場の課題解決に直結すると確信したのが理由です。
編集部より
警備現場では「隊員が時間通りに現場に到着すること」が大前提であり、1人でも遅刻・欠席が出れば契約違反や安全リスク等の損失に直結します。これが万博ともなれば数十人単位の行動を管理しなければならず、上番管理は管制担当者に大きな負担のかかる業務となります。
プロキャス警備には、上番管理のための前日・当日アラートや、現場到着のGPS証明機能といった多重のチェック機能が備わっており、各隊員の上番状況が常に確認できるため、イレギュラーが起きた時だけ対処すればよく、管制担当者の業務負担やストレスを大幅に削減することができます。
高年齢層スタッフへの導入に不安も
隊員さんたちの反応はいかがでしたか?
登録スタッフは約130名、1日50名体制でシフトを運営しています。平均年齢は50代、最年長は60代後半と高く、スマホアプリの操作に慣れていない方も少なくありません。そのため導入前は、「果たして全員が問題なく使えるだろうか」という不安がありました。
そこで、プロキャスのサポート担当者に急遽大阪まで来てもらい、管理者と現場スタッフが一緒に説明を受けられる場を設けました。導入直後は問い合わせの電話が相次ぎ、私自身も何度もサポートへ連絡。その都度いただいた回答を現場にフィードバックしながら対応を進めました。正直、最初は苦労も多かったですが、手厚いサポート体制のおかげで運用がスムーズに軌道に乗りました。
今では現場スタッフも問題なく使いこなせるようになり、不満の声はありません。スマホを初めて触ったときのように、慣れてしまえば自然に操作できるようになるのです。特別なマニュアルも作らず、現場での口頭説明だけで定着出来ました。
私も現場に行った際には、隊員さんに直接アプリの操作方法をレクチャーしたり、不具合があればその場で対応したりしています。そうすることで現場の安心感も高まります。
上下番・チャット・シフト管理をフル活用
具体的にどのように活用していますか?
現在は、プロキャス警備で隊員の勤務実績を管理し、そのデータを人事部門へ連携して給与計算に反映しています。活用の中心となっているのは、上下番機能、チャット機能、シフト管理機能の3つです。
シフト変更や補てんが必要な場面は少なくありませんが、プロキャス警備を使うことで迅速に対応できています。急な欠勤や遅延が発生しても、すぐに代替要員を手配できるため、契約違反のリスクを軽減し、結果として現場の安定運営に大きく貢献しています。
編集部より
シフト管理や上下番管理では、紙やメール、LINEなど複数の連絡手段を並行して使われることが多く、情報が散在するため混乱やミスが起こりやすいという課題があります。また、勤務後の報告作成や給与計算のための勤務実績集計等、多くの業務に対応しなければなりません。
プロキャス警備では、これら隊員とのやり取りはすべてアプリで完結します。シフト確認や、チャットでの業務報告、上下番管理ができ、業務実績は自動的に集計され給与計算にも直結します。このように業務のほとんどがプロキャス警備だけで運用することが可能です。
万博後の活用も視野に
万博をきかっけに導入されたということですが、今後の利用はいかがでしょうか?
万博終了後も継続利用するかは今後の検討ですが、“上番遅れ防止”や“勤怠の見える化”は確実に現場運営の質を高めると感じています。
編集部より
警備業務において、上下番管理や勤怠の見える化といった仕組みが万が一の遅刻や欠勤の予防と速やかな対応を可能にし、現場運営に安定性をもたらします。
現場の確実な稼働を下支えするプロキャス警備は、万博のような大型案件だけでなく、日常の警備業務でも同様の効果を発揮します。